従来の葬儀は大きな斎場を借りて祭壇を作り、大勢の参列者を迎えて故人にお別れを行うのが普通でした。しかし、規模が大きな葬儀は費用がかかるうえに参列者も時間を取られる問題がありました。また、核家族化など生活様式の変化によって大規模な葬儀を行う必要性が低下したのも事実です。
そのため、故人の親族だけで行う小規模な家族葬が注目されています。家族葬は従来の葬儀と比べ、規模が小さく費用も少額で済むメリットがあります。故人の自宅で行うことも可能なので斎場を借りる手間がかからず、通夜を行わずに葬儀だけで済ませるなど簡略化を目的とした利用にも最適です。
その一方で参列者を受け入れる場所を取ることが困難である他、葬儀の形にこだわる人によっては受け入れにくい問題があります。葬儀は故人とのお別れの場である一方で一種の社交場として機能している面もあることから、参列者がほとんどいない家族葬では交流の場にならないためです。
葬儀を行う段階になってトラブルが生じるのを避けるためにも、予め葬儀のスタイルについては十分に話し合うことが重要と言えます。当事者の意見を尊重しつつ、金銭的な負担の軽減も併せて考えることを忘れてはいけません。